汎用にすることの意味

新しく買った掃除機のフィルターにはメーカーの純正品しか使えず、毎回なくなるたびに高価な純正品を買わなければならないことは多い。どんなものでも代用できそうなものに高いお金を払って純正品を用意しなければならないのは理不尽でさえある。我が家の掃除機のフィルターには市販のティッシュペーパーが使える。水洗いで何度でも再生できる樹脂製のフィルターと市販のティッシュペーパーなので、交換用の純正フィルターはない。とても便利で気に入っている。

パソコンのプリンターもいい例だ。インクジェットにしろレーザーにしろ、インクもトナーもあっという間になくなる。プリンター本体は1万円もしないで買えるというのに交換用インクやトナーを買うと一式で数千円から1万円近くにもなる。2~3回の補充で新しいプリンターが買えてしまいそうな値段だ。これは昔から「プリンターメーカーは交換インクで商売している」と言われており、サードパーティーの替えカートリッジ(純正ではない格安品)を使うと「プリンターが壊れます」という脅し文句とともに頻繁にアラートが発せられたりする。しかしボクはそんな警告ははなから無視して格安品を使い続けているが今のところ壊れる様子は全くない。もっとも最近では格安品が値上がりして純正品よりも高いことがあるので、そんなときには純正品を買っている。

紙フィルターにしろ交換カートリッジにしろ、多くのメーカーは何かというと自社製品にしか使えない交換パーツを使いたがる。囲い込んでるつもりだろうがほとんどの場合、消費者の不評を買っている。そりゃそうだろう。それだけの価値のないもののために余計な出費を強要されるのだから。そんな問題を解決するのは簡単だ。業界で統一の規格を作って汎用品を作ればいいだけだ。それなのにメーカーは絶対にやらない。

最近ではスマホのSIMカードがいい例だ。日本ではキャリアごとに自社専用のSIMしか使えないようにSIMロックがかかっている。これは日本だけの風習で海外では考えられないことである。もっともボクのスマホはキャリアではなくメーカーから買ったSIMフリーなので格安SIMも海外のSIMでも問題なく使える。

あらゆるもの交換部品は汎用的にあるものを使いまわせた方が消費者には圧倒的に便利だ。そして安い汎用品を使えた方が使い勝手も経済性も抜群だ。もちろん物によっては専用の純正品であることがどうしても必要な場合も多い。しかし必ずしも純正でなくてもよいようなものまで専用部品化して囲い込みを続けようとするメーカーの姿勢にはある種の悪意さえ禁じ得ない。

テレビの録画媒体も自社の製品しか使えないようにしているところがほとんどだ。今ではどうかわからないが、そんな中で東芝のテレビだけがバッファロー社の汎用HDDを使うことができた。他社の専用録画媒体と比べて格安の製品を使って録画容量を増やしたことにはメーカーのマーケティングに聡明さを感じさせる。

かつてはマーケットの囲い込みによって需要を独占して一人勝ちを狙うやり方が全盛だった。しかしこれからもそのような心の狭いビジネスで勝ち残っていけるとは思えない。お客の幸せより自分の利益だけを優先してきたツケが、今の日本のメーカーの停滞に繋がっているのではないかと強く思うのだ。

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