アニオハセヨ

先日のニュースで鎌倉市が”食べ歩き禁止”の条例を発効したことが報じられていた。古都・鎌倉は戦時中にも空襲されずに焼けなかったので古くて細い道が残っている。駅に近い観光客が集まる小町通りなどもほんの狭い通りだ。そんな中でスマホ画面を見ながらアイスやクレープなどを持って食べ歩きすれば誰かとぶつかって服を汚さない方が不思議だ。 鎌倉市は、被害を受ける人が増えて苦情が殺到していることから条例化に踏み切ったらしい。昔の日本では”立ったまま食べることはお行儀の悪いことと”という文化があったが、今では食べ歩きの方が市民権を得ている。しかし楽しい食べ歩きだって度を越して他人の迷惑を考えない人間が増えれば規制されてしまうのだ。そのあたりは”学校の校則”にも似ている。自分で自分の首を絞めていることが分からない人はまだまだ多い。

東京・新宿の新大久保には韓国のお店が多いことで知られている。ヨン様ブームの頃にはほとんどが韓国系だったがその後は一時廃れた。ところが今ではベトナムやタイなどのアジア系のお店が多くなり、かつての韓国系のお店と合わせて若者の人気を集めているらしい。しかしご多分に漏れずここでも食べ歩きによるごみのポイ捨てが後を絶たず問題化しているという。もっともここは新宿の繁華街であり、周囲に鎌倉のような”高貴な方々”のお住まいは少ないので、いきなり規制されてしまうことはないのかもしれない。

ところで話は変わるが、今のティーンエイジャーの間では韓国語を勉強することが流行っているのだという。そのキッカケはK-POPだ。イケメンや美少女アイドルで若者に人気のK-POPはいつの頃からか人気が出てきて年末の紅白歌合戦などにも出演しているという。中高生たちはそんな彼らのライブを観に行ったり配信動画に夢中なのだが、いかんせん彼ら彼女らが話す言葉が分からないと楽しさも半減する。しかし日本の中学校や高校で韓国語を教えているところはほとんどない。ないなら自分で勉強するしかないというわけで韓国語熱が高まっているらしい。

日本の学校で英語を教えるのは”国際化”に向けて世界に通用する人材を育成するためだという。確かに今どきは英語くらいは話せないと困るときもある。しかし今の日本の街中で一番多く出会う外国人は中国人でありフィリピン人でありベトナム人だ。もちろん古くから韓国出身者もたくさんいる。ところが日本の学校ではそれらの国の言葉には全く無頓着だ。そういうボクだってタガログ語やベトナム語では挨拶すらできない。それを何とかしようとしているのが自分で韓国語を覚えようとしている若者なのだろう。

仕事や受験のためではない。そこらの大人から見れば”何の役にも立たない”ことを一生懸命覚えようとしている。韓流の大好きなイケメンアイドルがいれば少しでもその人のことが知りたくなって自分で勉強する。そんな姿を見ていると本来の「知りたい!」と思う気持ちの原動力は昔から変わらないのだな、と思う。アメリカで暮らしたい、パリで修業したい、韓流アイドルの話している言葉を解りたい、そんな純粋な動機があれば勉強も苦ではなくなる。

テストがあるわけでも将来に役立つかどうかもわからなくても「やりたいからやる」という動機は何よりも強力だ。馬を水辺に連れて行くことはできても水を飲ませることはできない、と諺でも言われている。しかし馬は水が飲みたくなれば自分から水辺に行って飲むのだ。

自分がやりたいから、興味があるからと思えば受験にも仕事にも関係ないことでも自分から進んでやろうと思う。素晴らしいことだと思う。そんな若者がいる日本もまだまだ捨てたものではないと思った。

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