年末進行

ホテルに勤めていた頃、土日祝日は絶対に休みにならなかった。だから年末年始やGW、秋の連休になると10日連続出勤などは普通だった。世間の連休が大型化すればするほどこっちの連続出勤日数が増えるわけだ。お気づきではない方が多いと思うが土日祝日が全員出勤の上、シフトを組んで常に誰かが出勤していなければいけない仕事だと連休期間だけ出勤していればいいというわけではない。連休の前後には誰かが休みを取るのでそこも休めない人が必ず出てくる。今年のGWには天皇陛下の退位が重なるので10連休になるらしいが、恐らくこの日程では2週間は連続出勤する人も大勢いるに違いない。世の中は休む人がいれば働く人がいる。裏表なのだ。

製造業の多くは年末年始が休みになる。年末年始の休暇は一般に通常の連休よりも長い。従業員が比較的長期の休みを取るためにその前には仕事の段取りを付けておかなければならない。これを印刷業界では「年末進行」と呼んでいた。ボクがいた印刷会社では週刊少年漫画や週刊誌を印刷していたが年末年始になると工場が止まってしまうためにいわゆる「年末年始合併号」という名目で2週間分を1回にまとめて発行してしまい、1回分を休むという段取りで動いていた。

テレビ番組なども年末年始になるとテレビ局員も休みが多くなるため、放送に手間のかからない特集の録画番組や「総集編」などと銘打った再放送編集番組ばかりになる。そのために11月12月はお正月番組の収録で芸能人やアナウンサーなどの出演者を始めとして制作会社も年末進行に巻き込まれるのだ。

他の人が休んでいるときがサービス業の書き入れ時だ。だからレジャー施設や商業施設に勤めている人は土日祝日に休むことはできない。休みたくてもほぼ強制的な”出勤命令”が出る。特に年中無休で営業しているところでは平日にシフトを組んで代わり番こに休みを取っている。ボクもホテルや店舗に勤めていたときには月曜や火曜日の休みが多かった。しかし月曜日は行楽地の観光施設が休館であることが多く子供が小さい頃は行き先に苦労した。

しかし平日に、しかも観光施設が休みの時に出掛けると道路も観光地もガラガラに空いている。もっとも週末に行列ができるようなところは休みになって入ることができないのでそんなに”得をしました”感はないのだが、車の渋滞がなかったり交通機関や宿泊施設が安かったりしたのが嬉しかったものだ。月曜日などは行楽地でも従業員に週末の混雑を乗り越えた疲れが出ていて「同胞よ、あんたもか」と同情したりしたものだった。

世の中にはしわ寄せをする人種としわ寄せが来る人種の2種類がいる。それが不公平かと言われるとそんなに苦になるものでもない。平日休みも慣れればそれなりに楽しいものなのだ。

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