人は同じものには飽きるのです

人はいつもの習慣を変えることには強く抵抗する習性がある一方でいつも同じものだと飽きてくるのも事実です。まったくもってわがままですが、これも人としての習性ですから仕方ありません。しかし時にはいつもと違ったことをすることでいつもよりも上手くいくこともあれば失敗することもあります。そうやって数百万年という長い年月の間、試行錯誤を繰り返して人類は進化してきたのです。そういう意味では人は常に心の中では新鮮さを求めています。

しかし一方で人は新しすぎるものを警戒します。なぜならいつもと違うことをやることにはリスクを伴うからです。いつもと同じことをやっていれば多少のブレはあってもおおむね予想通りの結果が得られます。大失敗を避けるにはいつもと同じようにやることが大切です。だからこそ現代ではマニュアルを作り作業を定型化することで安定した結果を得ようとするわけです。ですから新鮮なものを見たくなったらいつもと同じ手順からちょっとだけはみ出してみて、少しだけ冒険してみるのです。その匙(さじ)加減は人それぞれですが、冒険とリスクのバランスをとることは誰にとっても難しいのです。

自分では大きな冒険をしているつもりでも他人から見ればいつもとなんら変わらないように見えることもあります。「そんなところをちょっと変えたくらいで何かが変わるわけないだろ」という風景もよく見かけます。ある程度のリスクを負わなければ物事に変化を与えることはできません。熟慮の末に論理的な因果関係がある程度見通せたなら、リスクとその結果起こるはずの変化を天秤にかけて冒険するのです。しかしリスクばかりが大きくても何も変わらないのでは骨折り損のくたびれ儲けです。完璧である必要はありませんが論理的な裏付けも必要です。それがなければただの無茶になってしまいます。

仕事でも家事でも自分の好きな趣味であっても、ずっと同じ作業を繰り返していると退屈に思うことは誰でも経験していると思います。仕事や家事ならちょっとやり方を変えて効率的に作業ができるように改善しようとしたりします。ちょっと変えてみて結果が良い方に向けばその作業を変更しますし悪い方を向いてしまったら元に戻します。試行錯誤を繰り返すことで全体の業務を良い方へ、言い方を変えればラクしていい結果が出るように変えていくのです。

それでも中には何も考えずに与えられた作業を教えられたままに繰り返すだけの人もいます。最初から考えることをしない人は何も変えることができません。「試行錯誤」はまず考えてから試行するのです。どこに向かって鉄砲を撃てばいいのか考えもしない人に獲物を獲ることはできません。獲物がいそうな雰囲気を感じ、その方向をじっくりとよく見て、獲物の影を見つけてから撃つのです。撃ったからといって必ず命中するわけではありませんが何も考えずにところかまわず撃ちまくるよりは確率が高くなります。目標を定めずに撃ちまくれば周りの人は迷惑するばかりか他の人を危険に巻き込んでしまうことすらあります。それではもはや「乱射」以外のなにものでもありません。

忠実に今まで続けてきたことを守り続けるのも伝統ですが、今の時代は、守っているだけでは進歩がないばかりか継続することすら難しくなってきています。よく考え、よく見て冒険を試みることも大切なのではないでしょうか。

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