血液ドロドロ効果

健康番組では生の玉ねぎなどの血液サラサラ効果をもたらす食品に注目しているが、先日見た番組によればクジラやアザラシの脂が非常に効果があるらしい。もともと寒いところの動物だから冷たい海で固まってしまうような脂では困るのだろう。一般に低い温度でも固まりにくい性質を持った油脂がいいのだそうだ。その点では冷蔵庫でも固まってしまうようなオリーブオイルやサラダ油などはダメだ。一時期は健康に良いというので注目を浴びたオリーブオイルだが血液サラサラという面から見ると特に健康的ではないらしい。(別にオリーブオイルを否定しているわけではありません)

しかしアザラシの脂なんて日本ではなかなか手に入らない。アラスカに住むイヌイット(いわゆるエスキモー)たちは日常的に摂取して脚気(かっけ)を予防する効果もあるが、彼らの中では摂り過ぎによって血液中の血小板が減少して血液が固まりにくくなり鼻血などに悩む人もいるらしい。何でも摂れば摂るほど良いわけではない。

フランスのワインの産地にある大学の研究所では「赤ワインが健康にいい」といい焼酎メーカーは本格焼酎がいいという。ビールメーカーはビールもいいというがその根拠はいたって希薄だ。そのほとんどで確かな効果が検証されていないのに「いいらしい」と宣伝する。これは地域産品の宣伝とも受け取れてしまいちょっとウサン臭くすら感じてしまう。手前味噌が過ぎると誰も信用しなくなってしまう。

もちろんアルコール飲料も程々に飲めばストレスも緩和されていいのかもしれないが一般的に”適量”とは日本人の場合、純アルコール量で1日に20g程度と言われている。缶ビールなら500mlを1本、日本酒なら1合、ワインで2杯、焼酎なら0.6合程度とされている。酒飲みからすればちょっとというかかなり物足りない。ただ逃げ道としては悪酔いするほど飲まなければ1週間程度の期間の中での総量で調整することもありなのだという。つまり休肝日を作るのだ。

一般にフランス人は日本人と比べて体格も大きく欧米人や黒人のほとんどの人がそうであるようにアルコール分解酵素を持っているので許容量もやや増えそうだが、それでもワイングラスで1日に4~5杯飲むとまったく飲まない人よりも健康な人が2割も多いというボルドー大学の研究結果は眉に唾をつけて聞かなければいけなさそうだ。

人間は大昔からいろいろなものを食べて生きてきた。逆に言えばいろいろなものを食べることで生き残ってきたのだ。そのための体の仕組みや構造は食生活が変わったからといって急にそんなに大きくは変わらない。結局はいろいろな食物をバランスよく食べることが健康に繋がる。繋がらないのは喫煙だけだ。

しかし専売公社(現JT)はかつて「煙草は心の日曜日」というキャッチコピーで宣伝していたしアルコール飲料メーカーは今でも同じような主張をしている。もちろんストレスが健康に与える害も否定はしないのでお酒を飲むことは悪とは言い切れないが(ボクは毎日晩酌を欠かさないようにしている)いずれにしても飲み過ぎが身体的にも精神的にもいいわけがない。今も大々的に宣伝している缶酎ハイにしても適量は1.5本程度だ。お酒を飲みに行ってその程度で終われる酒飲みがどれほどいるのか大いに疑問だ。

冒頭のアザラシの脂でもそうだが「摂れば摂るほど良い」などというものは絶対にない。世の中に”絶対”などということはないと書いたことがあるが、こと食べ物や飲み物、薬に関していえば絶対にないといい切れる。水でさえ一気に飲みすぎれば死ぬことだってある。

コマーシャルやテレビ番組では特定の何か一つの点で長所を見つけると狂ったように強調し始める。それを見た人も極端な行動に出たりする。生活を極端に変えることは体に大きな負担をかける。食べ物を極端に偏らせれば体調を崩し病気になり死のリスクを増やすことになる。長生きはすればいいものではないだろうが、自ら進んで寿命を縮めることもないのではないかと思うのだ。

ちなみにアザラシの脂に変わる身近なものとしては魚の油らしい。だからといって摂りすぎれば体に悪いことうけあいだ。

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