お役所仕事

毎日毎日、テレビのニュースではオレオレ詐欺(特殊詐欺)の話題に事欠かない。「還付金があります」「保険がでます」などという電話を掛けてきてATMから現金を振り込ませるという。これだけ世間で騒がれていても被害者は「知らなかった」「詐欺だとは思わなかった」などと言うというのだから詐欺師もよほど巧妙なのだろう。ボクには騙し取られるほどの資産もないから電話が掛かってきたことはないが、一度詐欺師の口上は聞いてみたいものだと思っている。

それにしても騙された被害者の話を聞いていて不思議なのは、今までの人生の中でこちらが得するような事をわざわざ向こうから電話をかけてきて教えてくれたことなどあったのか、ということだ。

もう何十年も前になるが「おめでとうございます!当選です!」といきなり電話をかけてきて何かの福引か何かに当たったかのような事を言って物を売りつけるという詐欺が流行ったことがあった。そんな電話なら子供の頃に受けたことがある。もっとも当時はお金も持っていなかったから何かを買ったりするようなことは出来なかったし、ボクは小遣い制だったので改めて親に頼んで買って貰うという手段は考えつきもしなかった。

民間の会社がお墓やマンションの営業電話をかけて来ることはままある。しかし役所や公共機関などが税金の督促以外で連絡して来ることなど絶対にない。税金の支払いや督促にしたって郵便がせいぜいだ。ボクはまだ受け取る歳にはなっていないが年金だってこちらから申請しなければ受け取ることはできないという。何十年も払い続けてやっと受け取れる資格ができたとしてもである。日本はそういう国だ。

昔、歌手の水前寺清子さんはこう歌っていた。

♪幸せは歩いてこない、だから歩いて行くんだよ♪

お金だって役所まで歩いて行ってたくさんの書類を書きハンコを押して、係りの役人の長ったらしい嫌味たっぷりな口上を聞かなければ受け取れるものだって受け取れない。長い間生きていればそんなことは当たり前のようにわかっている。行政というところは”納税の督促”以外の手続きは自分で取りに行かなければ向こうから親切にやって来ることは決してない。

国民保険料を払い過ぎた時だって、こちらから問い合わせをしなかったらそのままバックれられるところだった。「取りに来い」と言われて社会保険事務所まで行ったら散々待たされた挙句、書類を書かされて「後日口座に振り込む」と言われた。そういうものだという事をみんな知っているはずなのにである。

お役所とは情報すら出そうとしないところだ。こちらからプル(聞いて引っ張り出すこと)しなければ何もしようとはしない。もっともお金を取ることだけは抜かりなく向こうから督促される。

固定資産税、社会保険税、年金保険税、自動車税、所得税、消費税etc。払わなければすぐに督促されて遅れれば利子まで取る。なのに自分が払うとなると絶対に知らんぷりだ。

今は一般企業だろうが団体だろうが、向こうから親切に「お金をあげます」などということはないし「あなたのカードが使えなくなってるから交換してあげます」などということは決してない。こちらが得するようなことが向こうからやって来ることなどないのだ。

電話がかかってきた時点で100%詐欺である。役所からお金を受け取るにはこちらから出向いて無愛想な窓口の係員に悪態をついてやり込めなければ
絶対にお金を出そうとはしない。

裁判所だって同じだ。電話をかけて来ることは絶対にない。ボクの学生時代の経験から言えば裁判所や検察庁からの呼び出しもハガキである。詐欺師は住所がわからない上に証拠を残したくないから郵便物は使わない。お役所は証拠を残したいから配達証明付きの郵便を使う。

そんなことはわかりきっているはずのお年寄りが今日も詐欺師に騙されている。

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください