ラジャ!

昔の戦隊モノのマンガではメンバーが無線で連絡を取り合った時、最後に「ラジャー!」と言っていた。何だ?ラジャって?

無線電話では言葉の聞き間違いを防ぐために通話表というものを使うことがある。日本語なら「朝日のア」「イロハのイ」「上野のウ」「英語のエ」「大阪のオ」という具合だ。もちろんアルファベットにもある。「Aアルファ」「Bブラボー」「Cチャーリー」「Dデルタ」「Eエコー」などと言われる。

トランシーバーのような無線電話(音声通信)ではどちらかが話している間は相手は話すことができない。いや話せるのだが相手が話している間は相手の話を聞いて(受信して)いないので通じていない。だから自分の話を終える時には「〜です、どうぞ」と言って相手が話すことを促し受信者は「了解、〜」のように「どうぞ」と「了解」が対になる。英語なら自分の話は終わりですという意味で「〜,over(オーバー)」「Roger(ラジャー),〜」と言う習慣ができた。

一方で、今ではほとんど使われなくなったが無線電信の場合にはトンツーのモールス符号が使われるので無線電話に比べて聞き間違いは少ない。その代わりにQ符号などの万国共通の略語も使われるのため、それも覚えておかなければならないので簡単ではない。

話は逸れるが船舶無線で遭難を表すのはご存知の「SOS」だが、いよいよ状況が悪くなって船が沈むという時には最後の通信の後に「QRT」というQ符号を送信する。「当無線局は閉局します」という意味だ。最後に送信する”T”のモールス符号はツーという長音なので送信者は最後にツーという無線電信を送信しながら電鍵(手でモールス信号を打つ機械)の調整ネジを最後まで締めて”ツー”という音を出し続けるようにして船から退避するのだという。するとそれを受信している無線局は、船が沈んで無線機が水没して通信が途切れるのを聞いて船の沈没時間を知るのだという。映画「タイタニック」にもその場面があるかと目を皿のようにして見ていたが、残念ながらそんな場面はなかった。

アマチュア無線などやっている人はご存知だと思うが無線通信は非常に不安定で聞き取りづらいことが多い。通信が途中で途切れることも多いから自分の話したことが確実に相手に伝わっているという保証もない。だから自分の通信を始める時には「了解!」と言い相手が話した内容を反復する。送信者はそれを聞いて初めて通信内容が確実に相手に伝わっていることが確信できるというわけだ。

英語圏では「了解!」の代わりに「Roger(ラジャー)!」を使う。「受信しました」はRecivedなのだが長いのでRを表すRogerが使われ出したのだという説もある。もっともRを表すのは通話表ではRomeo(ロメオ)やRoma(ローマ)を使うことが多いのでラジャーは「了解」の意味に限定して使われている。

インターネットの普及で電子メールやSNSなどはもはやインフラの一部となって日常茶飯事ビジネスやプライベートにかかわらず当たり前のように使われている。
しかし通信回線やサーバがまだ不安定だった頃には送信したメールが相手に届かないことが頻繁にあった。また相手のメールボックスに届いていても頻繁にメールをチェックする習慣がなかった頃には1週間も1ヶ月もメールが放置されることはザラだった。だから相手にメールを送った後に電話をかけて「今、メール送ったのでチェックしてください」なんて笑い話のようなことが普通に行われていた。

最近では回線の多重化やサーバの性能が向上して送ったメールが届かないというようなことはほとんどない。一方で迷惑メールやスパムメールの急増でサーバの迷惑メールフィルタなどに引っかかって届かないケースの方が多くなった。これでは連絡内容が相手に伝わらないという意味ではメールが途中で消えてしまったのとあまり変わらない。結果的に相手は読んでないわけだから困った事態だ。

だからボクは今でもメールやメッセージを受け取った時には「ラジャー!」という意味で簡単な返信をしたりスタンプを送るようにしている。誰だって面と向かって話をしている時に聞いている人が相槌の一つも返さなければ「ねぇ、聞いてる?」と訊いてみたくなるではないか。
相手の気持ちになってアクションを起こすことは小さなことであっても大切なコミニュケーションの一つだと思っている。

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