面倒くさい男

出せば出しっ放し、使えば使いっぱなし、やればやりっぱなし。開けたドアも閉めないしデスクの上はいつもぐちゃぐちゃ。最近では「片付けられない人」などと言われ病気が原因だとまで言われる人がいる。しかし使った食器を洗って乾かしておかなければ次に使おうと思った時に困るし、食器棚に片付けておかなければ探しまわるハメになる。
あるべきものはいつもあるべき場所にすぐに使える状態でしまっておかなければ非効率的だ。

ボクは家で「面倒くさい男」と言われている。細かいことまで煩く小言を言うからだ。しかしボクの言っていることは理にかなっている。タンスの引き出しから爪切りを出して爪を切り終わった後そのままテーブルの上の出しっぱなしにすれば、食事の時も爪切りは出しっぱなしだ。食事に爪切りは必要ない。その時に必要ないものを出しっぱなしにするから部屋はすぐに乱雑になり次に爪を切ろうとする時に探すハメになる。

「だってまた使うから」と言い訳をするが次に使うのは1週間も先のことである。10分後に使うことが決まっているなら「わざわざ仕舞うのは面倒」という気持ちもわからないではないが、1週間先に使うのならその時にまた出せばいいのだ。

犬猫もドアや襖を開けることはするが閉めることはしない。通ろうとした時に閉まっていれば通れないから開けるが、自分が通った後は閉めなくても自分は困らないからだ。しかし人間は「せっかく涼しくしてるのに!」「寒いじゃない!」と自分に不都合があるから文句を言いながら閉めに行く。

ボクが小言を言うのは犬猫に向かって言っていることと同じ理屈だ。しかも出しっ放しにした爪切りは1週間後に「どこに置いたっけ?」と自分が探しまわる事になるのにだ。自分が苦労するだけならまだいい。他の人が使おうとした時にはどこにあるのかすら全くわからなくなる。

大人数でキャンプに行くと食事の時間には出来上がった料理をみんなが一緒に食べ始めるので塩や醤油、七味、コショーなどの調味料もテーブルの上で頻繁に行き来する。誰かが塩を使うと使った人は自分の近くに置きっぱなしにする。離れた席で「塩は?」と誰かが探し始めても最後に使った人がその声に気づかなければどこにあるのかわからずテーブル中を探しまわる事になる。みんながそれを延々と繰り返すわけだ。

調味料を置く場所を1ヶ所決めて使い終わったら必ずその場所に戻す事にしておけば全員が塩を探しまわることはない。それでも決められたことを守らない人は必ず出てくる。使い終わってしまえば後はどうなろうと自分には関係ないという犬猫と同じ人だ。
元に場所に戻すのに何秒もかからないのにやらない。普段からそういう習慣をつけていないからだ。

本人が毎回苦労して無駄な時間をかけるのは勝手だが、ボクには迷惑をかけないで欲しい。だから面倒臭い男と言われても毎日しつこく小言を言い続けている。