ブランドって何ですか?(1)

■ あなたにとってブランドってなんですか?
他の人に自慢したり見せびらかして自尊心を満たしてくれるもの? 
何かを買おうと思った時に信頼できる根拠?

もちろんそんな一面もありますし、それが悪いということは少しも悪くありません。それも自己表現の一つだし、何よりもそれらを所有することで自分自身の人生が豊かになるのならこんなに素晴らしいことはありません。それに、少しでもお金持ちになるとベンツやBMW、レクサスに乗りたくなったり、シャネルやルイ・ヴィトンが欲しくなったり、今の社会ではごく普通のことだと思います。いやお金がなくても欲しくなっちゃうことはありますよね。でも今日お話ししたいのはブランドの持つそういう力の話ではなく、商品を売る側から見て「何のためにブランドはあるのか」というお話です。

■ 見込み客は最初からブランドを意識しているわけではありません
とりすは、少なくともお洒落ではないのでファッションブランドにはほとんど縁がありません。登山用品の”モンベル”くらいでしょうか(笑) これまではどちらかというと電化製品やパソコン、車などの方が馴染みが深かったかもしれません。家電製品で言えば「SONY」や車だと「フェラーリ」(スーパーカー世代なんです)、パソコンやスマホなら「Apple」や「Windows」「Android」なんていうブランドがあります。もっとも僕は大型の汎用コンピュータ(八畳の部屋くらいある大型機)でコンピュータを始めたので当初はAppleとはまったく縁がなく、その後にWindows95が出てきてからは仕事でもずっとWindows派でした。今この原稿を打っているのもWindows10ですしMicrosoftのOfficeソフトにもお世話になっています。ですからWindowsに馴染みこそあれ、いわゆる世間でいう熱狂的な「Macファン」ではありません。ところがスマホだけは最初から10年近くもずーっとiPhoneを使い続けています。

■ ブランドと見込み客の関係を強くする4つのステップ
最初にiPhoneが発売された頃、当時勤めていた職場の同僚たちと「Twitterで何かつぶやこう」ということになり、何となくスマートフォンを買うことになりました。当時、iPhoneに他にもBlackberryなどの端末はありましたが、日本語をうまく処理できなかったため他に選択肢がなくiPhone3Gというスマホを手にしたのです。また当時から仕事やプライベートでいくつものメールアドレスを持っていたため「気軽に持ち歩けるパソコン」として生活がとても便利になりました。何といっても電車の中でノートパソコンを立ち上げなくてもメールチェックができるようになったんですから。

ところで、自分の中で商品とブランドを強く関係づけるには4つのステップがあると言われています。それは

1.商品の持つ”機能”への気づき
2.商品の持つ”特長”の理解
3.商品とブランドとの結びつき
4.ブランドへの深い傾倒

です。つまり最初に商品を手にした時にはその商品のブランドになど興味はないということです。先ほどの話に戻れば、僕が最初にスマホを手にした時にはそれがAppleのiPhoneだということは意識もしていなかったということです。(もちろんその頃から熱狂的なMacユーザーはいましたし発売前夜には徹夜して店の前に並んだという人もいたようですが)僕にとってはこの時がステップ1の段階にあったといえます。

■商品の持つ特長への理解
そして何年か使ううちにiPhone3Gも古くなり動きも遅くなってきたので新しい機種を買おうと携帯ショップに行きました。その頃には国内の他のメーカーもスマホを販売し始めていて選べる機種も数種類に増えていました。特にこだわりのなかった僕は他のメーカーのいくつかの機種を手に取って検討してみましたが、今まで使っていたアプリやその他のアプリもiPhoneの方が圧倒的に選べる幅が広かったので自然とiPhone4を選ぶことになりました。
この時も特に「Appleの製品が良い」と思っていたわけではありませんでした。おそらくこれが僕のステップ2です。

■ブランドとお客様との間の強い信頼関係をつくる
また何年か経って表面に傷もついてきました。動きも重たくなってきたのでそろそろ新しいものが欲しくなります。この辺りになると他社のスマホの機種も充実していて、防水機能やおサイフケータイ機能を持ったものも出てきました。この頃の僕は、通勤ではモバイルスイカ定期券を使い、コンビニでも電子マネー、外出しても現金をほとんど使わない生活をしていたのでおサイフケータイや防水機能にはとても魅力を感じていたのですが、新型のiPhoneには搭載されていませんでした。当時は古いガラケーとの2台持ちでしたので何とかなっていましたが、結局手にしたのはiPhone5でした。これが僕のステップ3です。今までしばらく使って慣れていたのと、iPhoneというブランドに愛着が出てきていたんだろうと思います。

その後はスマホを買い換えようと思った時にiPhone以外の選択肢を検討することはありません。最近になってようやく「suica」や「防水機能」も付いて他社に追い付いてきた感はありますが「まさにマジック!」というほどの機能では決してありませんね(笑) それでも僕は、しばらくの間はiPhoneを買い続けるのだと思います。おそらくそこには、製品の性能はやや劣っていてもiPhoneというブランドに対して僕との間に信頼関係が出来上がったからなのだと思います。

これって凄いことだと思いませんか?
いやiPhoneのことではありません。少々商品が劣っていても自分が親しみを持って信頼できると思ったブランドは選ばれ続ける、ということがです。
お客様との間に強固な信頼関係が構築されれば、高かろうが劣っていようが選ばれ続けるのです(いえ、決して商品が劣っていてもよいと言っているわけではありません)。こういう状態を「〇〇ファン」なんて言います。かつてのSONYにはこういったSONYファンが大勢いました。テレビもビデオもラジカセも何もかも、家の中はSONY製品だらけという家は珍しくありませんでした。しかも1年の保証期間が過ぎると必ず故障する「SONYタイマー付き」なんて揶揄されていたにもかかわらずです。そんなSONYもカセットテープが姿を消しウォークマンがiPodに取って代わられるようになり、かつての威光にも陰りが出ているように感じるのはとりすだけでしょうか?

ちょっと長くなってしまいましたので、
次回はそんなブランドを作り上げていくための手法についてお話ししたいと思います。