なぜ組織は動かないのか?その簡単な理由は…(2)

さて前回は”評価”の仕方によってヤル気に影響が出るというお話でした。では今回は、どんな点をどのように評価すればいいのかということについてお話を進めていきましょう。

その前に”そもそもスコアなんてつける必要があるの?”という声も聞こえてきましたね。”そんなのつける時間があったら仕事したほうが効率が上がるんじゃないの?”。
…ほとんどの企業はそんな風に考えてスコアをつけることをしていません。

■スコアカードの考え方
ここで言うスコアカードとはゴルフでラウンドするときのスコアカードや野球場のバックスクリーンに表示されるチームの得点、ヒットやホームランの数、打率などと同じようなものだと思ってください。スコアをつけることでヤル気を掻き立ててもっと仕事を効率よくこなそう、ということなんです。ですからスコアをつけることはオプションではなくてマスト、ルールにして必ずやらなければいけないと決めるんです。

■スコアカードの作り方
ではどんなスコアカードを使えばいいのでしょうか?
先に答えを言えば、自分が気に入って、それを使うことで自分が高められると信じられるなら何でもいいのです。決まりはありません。日本人は(特にサラリーマンは)すぐに「フォーマット」を作って「社内に広く認知」させて「決まった運用ルール」に乗せて「結果を上司が判定」しようとします。全員を同じ土俵に乗せて比較して劣っている者をあぶり出すためです。これが企業で広く行われている”測定”と”評価”です。何度もいいますが、その目的は企業の基準で”劣っている者を探すこと”なんです。でも今、私たちが、目的にしようとしているのは”自分を伸ばして高めること”でしたよね。基準は他人ではなくて今の自分なんです。

■何を測ればいいのか?
陸上やスピードスケートなどのトラック競技では常にラップタイムと前を走るトップランナーや他のライバルたちのタイムを測っています。これはどれくらいのペースで行けばライバルを、トップランナーを抜き去って勝つことができるのかを具体的にデータ化します。もちろん急なトラブルやライバルの突然のペースアップなども考えなければなりませんが、すべてを予想することはできないので変化があればそれを考慮した作戦に変更して対応します。つまりレースの進捗がどうなっているのかを知ることが大きな役割を果たします。人は限りなく”やみくもに頑張る”ことはできません。いつまでに何を達成できるように、という目標が必要です。

このように測る項目は何を伸ばしたいかによって様々です。それが一つのこともあれば2個以上のものが関係することもあります。それでも限りなく”単純明快”でなければいけません。単純明快で進捗度合いがひと目でわかる指標が必要です。この国の政治家がよく口にするのは「”しっかり”と精査して」「”きちんと”調査して」「”誠実に”実行」することが大切なんだと。何をしたいのだかサッパリ分かりません。
”しっかり”とは何をどのくらいなんですか?
”きちんと”とは何をどうやってどこまで達成するんですか?
”誠実に”とはどういうことですか?逆に不誠実とはどういうことですか?
モヤモヤしていて曖昧で、まったくビジョンが見えませんね。でもこれと同じようなことが多くの組織の中では行われています。

■それでも具体的な項目の例くらいは知りたいですよね
例えば、毎日必ず”15分の時間をとって”

・自分が今どんな状態にあるか
・以前より(例えば先週より)進歩したか
・目標に近づいているか

を確かめることはできるでしょう。その時に必要な項目は何ですか?今、自分がいる場所と、以前に自分がいた場所と、目標の場所を一つの直線状に並べるにはどんな項目を比較するのが解りやすいですか? 考えてみましょう。それがあなたにとってのスコアになるはずです。

■そしてそのスコアをアップするには
そしてあなたがそのスコアをアップさせるにはどうしたらいいと思いますか? 新規のお客様の獲得数?既存のお客様のリピート率?一人ひとりのお客様の支払額? その変化を見ることで今、自分がやるべきことが見えてはきませんか? あれもこれも問題だらけでどこから手を付けていいのかわからくなっているとしたら、わずか15分でも必ず時間をとって、仕事の手を止めて、自分のやっていることを眺めてみてください。

それでは最後に簡単にまとめてみましょう。

■効率的なスコアカードに必要な7つの原則
1.毎日必ず15分間の時間をとって自分に今いる場所の進捗を確認できる項目であること
2.ポジティブ面に注目してスコアする項目を決めること
3.自分が当事者意識を持って積極的に関われる項目であること
4.あなたが信頼できると思うスコアカードが最高のスコアカードです
5.具体的に見える、触れる項目であること
6.常により良い方法を探して導入すること
7.単純明快であること

これらはもちろん、自分自身だけでなく組織に関わる全員にも当てはまります。ただ全員に同じスコア項目を設定して押し付けたのでは意味がない事はあなたにはもうおわかりですよね? それぞれのスタッフが自分自身を伸ばせるように進んでチャレンジできる項目に決めることが大切なんです。
人はそれぞれに価値観が違いますからそれぞれが「これを頑張ってもっと上手くなりたい、もっと幸せな気分を味わいたい」と思えるスコアカードを持つことが大切です。

この辺のお話はまだまだ話し足りないのですが、今回はこの辺にしてまたの機会に譲ることにしましょう。