一気にやるといいこと、悪いこと

散発的に発生する細々とした作業。やることは決まっているし考えなくても出来るのだが、仕事の途中で気が乗ってきた時に「すみませ~ん」と中断させられると正直言って面倒くさいしイライラする事もある。どうせならまとめて一気に片付けられれば能率も上がるというものだ。例えば日々の伝票処理、売上や支払いの集計作業…。考えてみれば1日の半分近くをこんな作業に使っている、なんてこともある。伝票は1ヶ月分をひとまとめにして月末にチャッチャッと片付けてしまいたい。
これが「企画書を作る」なんていう仕事だとまとめてヤッツけてしまおうとは思わない。アイデア出しから調査、比較検討、数字の裏付け、ドキュメントの構成づくりと章立ての検討、資料の収集、内容のライティング・編集・校正、デザインなんて事をやっているととても1日では終わらない。1年分の企画をまとめて年末に作るなんてあり得ない。そもそもそれでは納期に間に合わない。

仕事にはまとめて一気にやりたい種類のものと都度都度やらなければいけないものがある。一般に単純作業はまとめたほうが能率的で、複雑で深く考えなければならない作業は必要に応じて行うほうが良さそうに見える。ただこれも度が過ぎると一概にそうともいえないこともある。

経理部の社員は日々集まってくる伝票を仕訳して帳簿につけなければならない。家計簿をつけていれば日々のレシートから金額を拾って集計しなければならない。経営者は年に一度確定申告のために伝票や領収書を取りまとめて仕訳して集計しなければならない。一つ一つは簡単で単純な作業でもそれが溜まると重労働になる。毎日集まってくる伝票を、その都度他の仕事の手を止めて仕訳して入力するのは面倒くさいし能率が悪い。かといって月末の決算時に1ヶ月分をまとめてやるのは膨大な作業で苦痛になる。その適度なサイズは1日分なのか3日分なのか1週間分なのかを見極めたほうがいい。

何を見極めるのか?
それは納期に間に合うのかどうかと、どこまでだったら溜めても自分が飽きずに作業できるかだ。毎日つけていれば3分で終わる家計簿も1年分を溜めれば、恐らく1日では終わらないだろう。3分で終われば飽きることのない作業も何日も続けば飽きて嫌になるだろう。嫌になれば能率も悪くなるだろう。まず始めようというヤル気が起きなくなる。
単純で簡単だから一気にまとめてやれば能率がいいということではない。

単純で簡単だからといってバカにしてはいけない。塵も積もれば山となる。毎日階段を1段だけ上がることは苦労なくできるが、富士山に登るのはそれなりの体力と忍耐が必要だ。